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公安条例違反の現行犯で逮捕_採用内定取消の効力について争われた事例 (S48.10.29大阪高判)

事案の概要

(1) 公安条例違反の現行犯で逮捕され、起訴猶予処分を受けたXが、そのことを理由とする採用内定取消の効力を争ったもの。

(2) 大阪高裁は、公共性の高い公社の見習社員として適格性を欠く事由がある場合にも、採用内定を取り消しうるとして、申立てを却下した。

 

判決の要点

(1) Xは、非合法活動を誇示し武力斗争を標榜する地区反戦青年委員会に属し、比較的軽微な事件とはいえ、道路交通法、公安条例違反という具体的な越軌行為を集団的に行なっており、社会的に公共性の高い公社Yの職員として稼働させた場合には反戦グループに同調して職場の秩序を乱し業務を阻害する具体的な危険性があり、Yが見習社員としての適格性を欠くと判断したのは首肯しうる。

(2) YがXの政治的信条や政治的所属関係を嫌悪し、無届デモへの参加や逮捕・起訴猶予処分に名を藉りたものとはいえず、公序良俗に反するとも、思想の自由、結社・表現の自由に違反するともいえない。

 

引用/厚生労働省サイト

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