トップへ戻るTOP

部門の廃止に伴う配転命令の有効性が争われた事例 (H18.04.14大阪高判)

事案の概要

(1)Y社姫路工場の一部門を茨城県霞ヶ浦工場へ移転するに伴い配置転換を命じられた60名のうちXら2名が、その配置転換命令は無効であり、配置転換先で勤務する義務がないことと配置転換命令後の賃金の支払いを求めて提訴したもの。

(2) 神戸地裁姫路支部は、業務上の必要性に基づいてなされたにせよ、Xらに通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせ、配置転換命令権の濫用に当たるとし、大阪高裁も控訴を棄却した。

判決の要点

(1)勤務場所を限定していない契約の場合には、使用者は業務上の必要に応じその裁量により配置転換を命じる権利があり、その命令に企業の合理的な運営に寄与する点がある限り、業務上の必要性が肯定される。

(2) 配置転換命令当時の原告らの家族介護の状況などを考慮すれば、原告らが転勤によって受ける不利益は非常に大きいものであった。

(3) 本件配置転換命令は、通常甘受すべき程度を著しく越える不利益を負わせるもので、配置転換命令権の濫用にあたり、無効である。

 

引用/厚生労働省サイト

関連記事