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賞与の支給日在籍要件を定めた就業規則のが有効かが争われた事案(昭57・10・07最一小判)

事案の概要

1.Y銀行は、旧就業規則32条で「賞与は決算期毎の業績により各決算期につき1回支給する」と定め、慣行として支給日に在籍する者に対してのみ賞与を支給してきたが、労働組合からの申し入れを受け、昭和54年5月1日より就業規則32条を「賞与は決算期毎の業績により支給日に在籍している者に対し各決算期につき1回支給する」と改定し、同年4月下旬には従業員への周知徹底を図った。同年5月31日に退職し、支給日に在籍していなかったため賞与の支給を受けることができなかったXは、Y銀行に対して賞与の支払いを求めて提訴したもの。

2.大阪地裁、大阪高裁ともに、Yを退職した後のXの賞与については、支給日に在籍していなかったので、受給権を有しないとし、最高裁もこれを維持し、上告を棄却した。

 

判決の骨子

Y銀行においては、本件就業規則32条の改訂前から支給日に在籍している者に対してのみ決算期間を対象とする賞与が支給されるという慣行が存在し、就業規則32条の改訂は単にY銀行の労働組合の要請によって慣行を明文化したものであって、その内容においても合理性を有する。右事実関係のもとにおいては、Xは、Y銀行を退職した後を支給日とする賞与については受給権を有しない。

引用/厚生労働省サイト

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